「自分のたべる米を自分でつくってみたい。」「でも、そもそもおコメってどんなふうにできるんだ?」そんなところが、ボクが田んぼにかかわるようになった出発点だったように思います。なにしろ、それまでのボクは実に二十歳頃まで、イネやりんごがどんな姿で育つものなのかほとんど見たことがなかったのですから。

 作物にどれだけ人が手入れをして、それらが食卓に上がってくるものなのかも全く知らずに暮らしていたわけです。

 おそるべき無知ではありますが、「知らない」というのも悪いことばかりではないようです。この(農の)世界に入り込めたのも、なまじ実情をよく知らなくて不安を抱く理由もなかったことが幸いしたかもしれません。

 田んぼを始めた頃はとにかく「やってみたい」、ただそれだけでした。夢中だったのでしょう、1年目・2年目は駆け抜けるように過ぎていきました。

 現在7年目で、春は種播きにはじまり、育苗、代かき、田植えを経て、夏場は加工用トマトを育て、それぞれが収穫の秋を迎えるという流れですごしています。

 そして、冬場は酒蔵で日本酒づくりをしています。これは田んぼをやっていたことから繋がった縁でして、やりたい一心で訳も分からずに始めたことが、醸造という伝統あふれる現場に関われる状況にまでむすびついたのです。

 ここ数年で自分に起こった予想もできないような展開は、おもしろい広がり方をしたなあと感じますし、これから先がとても楽しみに思えてくるのです。おそらく、魂を揺さぶられるような事がらに出会ったとき、それにつよい気持ちで取り組んでいくと、次第に“道”がひらけてきたり、必要な人と必要な時期に出会えるものなんですね。

 今回のページ開設をきっかけとして、まさに“いま”あなたと出会えたように。